2023年度理事長所信

大きな節目を迎えた川越は、本年、将来へ向けた新たな一歩を踏み出す重要な年となります。また、オリンピックや改元、周年事業など、様々な話題がまちづくりの原動力となっていたこれまでとは一転し、明るい話題が顕在化されていない今、まちづくりの底力が試されています。川越は県内で初めて市制を施行したことに代表されるように、正に先駆者でありました。そこには間違いなく、斬新な発想による将来への期待に満ちた夢と、まちが一体となり夢を実現していける自負があったに違いありません。そして、私たちはそれら先人が描いてきた夢を現実のものとして受け取り、豊かな暮らしを享受してまいりました。今こそ、我々が新たに夢を描き、語り、夢の持てるまちを牽引することで、夢溢れる川越の創造に向け力強く邁進するときです。
「夢を描けるひとづくり」
先行きが不透明な現在、期待に満ちた夢の力が必要です。また、夢を描くためには、創意で未来を照らす斬新な発想と、夢を叶えることができるという自尊心がなくてはなりません。我々は、不安定な社会でこそ、臆することなく夢を描き、その実現のために力を尽くせるリーダーへと成長してまいります。
また、夢を持ちづらくなったといわれる社会のなかで、子どもたちが夢を描き続けるためには、自己肯定感を養うことが肝要です。子どもたちは等しく社会から愛されているという安心感のなかで夢を描いてもらうことで、夢の実現への歩みを通じて社会に貢献できる人財へと成長していただきます。
「夢の持てるまちづくり」
住み続けたいと思われるまちであるためには、夢の持てるまちであることが重要です。そのため、我々は、行政との連携をさらに強固にし、市民や各種団体を牽引しながら今昔の川越を理解し、揺るぎない礎の上に、今後の新たな夢の持てるまちの姿を提示します。そうすることで、まちを一体にし、夢の一員としての矜恃と期待感を醸成してまいります。
また、企業にもまちづくりの一員であることを改めて認識していただくと共に、川越の枠に収まることなく世界に照準を合わせた夢を抱き、世界から評価される企業を目指していただくことが重要です。世界から評価される企業の存在は、まちに新たな企業を呼び込む力を持ち、まちの発展にも直結するため、その実現へ向け、企業が大きな夢を持てる取り組みを支援してまいります。
「夢を語れる組織づくり」
持続可能な組織として発展し続けていくためには、会員が胸を張り、夢を語れる組織でなくてはなりません。近年、入会から間もない会員が増えているなか、規律と秩序を保ちながら夢を語れる組織であるためには、青年会議所運動が持つ力を信じる心と、会員相互の信頼と友情を育める確かな組織運営が必要です。また、過去の功績を理解し、諸先輩に対する感謝をもとに、我々の存在意義を広く発信していくことで、対内対外両面において(公社)川越青年会議所に対する期待感と信頼感を高めてまいります。そして、我々の組織に夢を持ち、志を同じくできる新たな会員をメンバー一丸となり拡大していくことで、夢を語れる組織として求心力をさらに高めてまいります。
「最後に」
川越は先人の弛まぬ努力のお陰で、成熟したまちともいわれるようになりました。しかし、成熟の後に待つのは維持または衰退です。我々は成熟よりもさらなる成長へ向け、感謝を胸に、現状に満足することなく青年の特権ともいえる大きな夢を抱き、夢の実現へ向けてひたむきに邁進していかなくてはなりません。そして私自身、第六十三代理事長という夢ある大役に一身を捧げてまいる所存です。
樋口 直喜
